少子高齢化が進む日本では、デジタル化に対応できるITスキルのある人材育成が急務とされています。そのため、国や自治体、企業ではITスキルを学ぶリスキリングの導入をすすめています。
とはいえ「何をリスキリングすればいいの?」「自分には何が向いている?」と、どの分野を学べばいいかわからない…という人も多いはずです。
最近では、Youtubeやオンラインサービスで無料で学べるコンテンツが充実しています。もし、何をリスキリングすればいいのか迷っているのであれば、まずは興味があるスキルを無料で学んでみましょう。自分に向いているかどうかがわかるだけではなく、途中で挫折することが少なくなります。
本記事では、リスキリングで何を学ぶか迷っている方に向けて、転職市場で需要のあるITスキルと、スキルを無料で学べるおすすめサイトをご紹介します。
- 転職市場で需要が高いITスキル
- 無料で学べるオンライン講座
リスキリングとは?
リスキリングとは、企業がデジタル化することにより求められるITスキルを学び、習得したITスキルを実践できる新しい業務につくことです。
本来リスキリングは、企業が自社の社員に向けてITスキルを学ぶ機会を提供し、社内の業務でスキルを実践し活躍してもらうことを目的としています。
リスキリングは企業内での社員教育の一環として、ITスキル習得のセミナーやオンライン受講が行われます。
しかし、実際に社員のリスキリングに取り組む企業は少なく、ITスキルを身につけキャリアアップしたい個人が、政府のリスキリング支援の補助金などを活用して、オンライン講座などで学ぶケースが増えています。
個人がリスキリングをする理由は、転職や副業を目的としたスキルの習得が多いようです。
▼リスキリングについて詳しくはこちらの記事をご覧ください
転職しやすい需要が高いITスキル
リスキリングでは、成長産業であるIT分野でのスキルを学ぶ人が多い傾向です。とくに転職市場で需要のあるITスキルは次の通りです。
プログラミング
プログラミングは、AIなどを使ったデジタル技術の急速な進歩によって、今後ますます求められるスキルです。プログラミング言語を使ったシステムやアプリ開発、AIを活用した業務の効率化や自動化ができるエンジニアは、多くの企業にとって魅力的な人材です。
プログラミング言語には、さまざまな種類があり、コンピュータの種類や作りたいものによって言語を選びます。プログラミングのスキルを使った仕事では、プログラマやシステムエンジニア、セールスエンジニア、データベースエンジニアなどがあります。
最近では、AIの急速な進歩によりAIエンジニアの需要も高くなってきています。
AIについてはこちらの記事が参考になります
プログラミングの学習には向き不向きがあるため、まずは無料の学習コンテンツで基礎を学び、挫折せずにできるかどうか判断してみるのがおすすめです。
無料でプログラミングがはじめるにはProgateがおすすめです。
さらに実践的な知識を得るためには、オンラインスクールなどの講座受講を検討するといいでしょう。リスキリングを目的とした講座受講では、政府の補助金や給付金が活用できるので受講料が最大64万円お得になります。
におすすめの講座についてはこちらの記事が参考になります
マーケティング
マーケティングは、商品やサービスを顧客に届けるための調査や分析、施策をする仕事です。デジタルマーケティングは、AIなどの技術を使ってSNSやWebサイトから顧客のデータを分析します。
一方、Webマーケティングは、Webサイト内のマーケティングに限定したマーケティング手法です。たとえば、膨大なデータをもとに、自社サイトに訪れた顧客が購買にたどりつきやすい動線を考えたり、SEOによる検索上位表示、インターネット広告による認知度アップを図るといった仕事です。
マーケティングは企業の売上拡大につながるポジションであるため、Webでの事業展開をしている企業では、デジタルマーケティングやWebマーケティングのスキルがある人材の需要は高くなるでしょう。
データサイエンス
データサイエンスは、数学と統計学、プログラミング、高度な分析やAI・機械学習の技術を使って企業のデータを分析・可視化し、課題解決につながる情報を導き出す手法です。
データサイエンティストは、企業などから収集したビッグデータの中からビジネスに有益な情報を取りだし、分析や解析をしてビジネスの意思決定につながる提案をします。高度なプログラミングスキルやITスキルだけではなく、データを基にした論理的な提案力・コミュニケーション力も求められます。
データサイエンスで求められる統計学の基礎が学べる講座を、NTTドコモグループが運営する学びのサービスサイトgaccoで、無料受講したときの体験談を記事にしました。ぜひ合わせて読んでみてください。
体験談!「社会人のためのデータサイエンス入門」を受講してみた
AI・機械学習
デジタル技術の進歩によって、企業ではAIによる業務の自動化が進んでいます。業務の自動化により、IT業界だけではなく、医療・金融・物流などのさまざまな業界でAIエンジニアや機械学習エンジニアの需要は高くなっています。
AIエンジニアとは、AI開発に特化したエンジニアのことです。機械学習エンジニアとは、AIの機械学習技術を使ってシステムやアプリケーションの開発をするエンジニアのことです。
機械学習エンジニアは、機械学習のアルゴリズム開発や実装、システムの構築などを行うため、プログラミングの技術は欠かせません。また、データの前処理やデータの可視化といった、膨大なデータから有用な情報に変換できるデータ分析スキルが必要とされます。
リスキリングでAIを学ぶメリットについてはこちらの記事が参考になります
無料の講座が充実しているおすすめのサイト
リスキリングを始めるにあたり、何を学べばいいのかわからない…という人も少なくありません。リスキリングでは学んだことを仕事に活かすことを目的としているため、興味のあるスキルを選んだ方が挫折せずに続けられるでしょう。
とはいえ、学ぶ分野に迷う人はまずは無料講座の受講をおすすめします。無料講座では、その分野の基礎が学べる内容になっていることが多く、自分が向いているかどうかの適性が見分けられます。基礎を学んだうえで、より実践的な内容を習得するためにオンラインスクールを受講してみるといいでしょう。
ここからは、無料または低価格で基礎が学べるオススメのサイトを紹介します。
Grow with Google
Googleが提供する、ITスキルを学ぶためのコンテンツが視聴できるサイトです。初級者に向けた基礎編のコンテンツでは、無料で視聴できるプログラムが充実しています。1時間〜という短時間で、大まかな内容が学べるものもあるのでおすすめです。中級以上のスキルの習得は有料になっているものが多いようです。
公式サイト:Grow with Google
動画の内容は、
- デジタルマーケティング初級
- AI・機械学習初級
- Googleのアナリティクス
- オンライン広告の活用方法
- テレワークで使うツールについて
などがあります。
コンテンツによっては英語版での配信のみになっているので、日本語版があるかどうか確認しておきましょう。
また、コンテンツの視聴にはCouseraやUdemyのアカウント登録が必要になることがあります。
- Coursera
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世界の一流大学での講義や企業のコンテンツを視聴できます。動画のほとんどが英語での配信となっていますが、日本語の字幕設定で視聴できる動画もあります。
マナビDX
マナビDXは、経産省とIPAが運営しているデジタル人材を育成するための学びの場です。豊富な講座の中から目的に合った講座が選べます。デジタルの基礎から専門性の高い分野まで幅広い講座が掲載。講座によっては、無料の講座だけではなく有料の講座もあります。
学べる内容は、
- ITパスポートの試験対策
- プログラミング基礎
- はじめてのPython
- AI/機械学習の初級
など基礎から実践編まで幅広く掲載されています。(有料講座含む)
公式サイト: マナビDX
JMOOC
JMOOCは、ITスキルから教育・医療など幅広い分野での講義が無料で視聴できるオンライン大学講座です。JMOOCで視聴できる動画は、Youtubeやドコモが運営するオンライン動画学習プラットフォームのgaccoで動画が提供されています。
gaccoでは、デジタル分野や経営、ビジネススキルなど幅広いジャンルの無料/有料の講座が視聴できます。視聴するには、アカウントの登録が必要です。
gaccoの無料講座の体験談はこちら
公式サイト:JMOOC
公式サイト:gacco
何を学ぶか迷う人は無料講座からはじめてみよう
必要な情報が簡単に手に入る現代では、ITスキルの基礎はYoutubeなどの視聴で無料で学べます。Youtubeのほかにも、オンライン講座も充実していて基礎が学べます。何を学ぼうか迷っている人は、無料動画から学習してみるのもいいでしょう。
個人でリスキリングをする場合は、今までの経験や強みが活かせる分野に、成長産業であるITスキルをかけあわせた分野がおすすめです。今後さらに需要が高くなるIT分野への転職は、キャリアアップ転職ができる可能性が高くなります。これからのキャリアで磨いていきたいと思える新しいスキルが見つけられるといいですね。
最大64万円の補助金・給付金が使えるリスキリング講座はこちらで紹介しています