AIの急速な進化によって、新しい技術やトレンドは日々生まれて変化しています。
気づけば身の回りにAIが使われていることが増え、今後さらに私たちの生活はAIによって変化すると予想されています。
「このまま同じ仕事を続けていて大丈夫かな?」といった漠然とした不安や疑問を感じている人もいるでしょう。
これまでと違った、「デジタルありきのライフスタイル」に対応するためには、新しい知識やスキルを身につけて自分自身も柔軟にアップデートし続けなければなりません。
この記事では、40代の女性が新しいスキルを身につけてキャリアアップするために、今学んでおいた方がいいスキルについて解説します。これからの時代を見据えたスキルアップを始めてみませんか?
リスキリングとは?
リスキリングとは、企業のデジタル化にともなう業務の変化に合わせて、必要となる新しいITスキルを身につけ、身につけたスキルを実践できる新しい仕事に就くことです。リスキリングのもともとの目的は、企業が自社の社員にスキルアップの機会を提供し、IT人材を育成することにあります。
ところが、リスキリングを導入している会社が少ない日本では、個人がスキルアップのためにリスキリングをするケースが定着しています。
リスキリングは、単にスキルアップをすることがゴールではなく、身につけたスキルを仕事で実践して働くことがゴールとされています。企業が行うリスキリングでは、社内の部署移動などによって新しいスキルを実践することが可能です。一方、個人でリスキリングをする場合は、昇進や転職、副業、事業経営をすることで、実践の場を探す必要があります。
40代・女性がリスキリングをするメリット

デジタル化が進む現代において、40代からリスキリングを行うことは、定年後も働く可能性がある現代のキャリアを築くうえでメリットがあります。主なメリットは次の通りです。
キャリアアップ転職がしやすくなる
40代以降の女性が、新しい仕事に転職をすることは簡単ではないと言われています。その理由としては、育児や介護などによる離職の可能性があること、年齢相応のスキルが求められる、などがあげられます。
たしかに、未経験の職種へのキャリアアップ転職は、時間がかかるかもしれません。
しかし、今までの経験と新しいスキルをかけ合わせることで、キャリアアップ転職も実現しやすくなります。まったく新しい分野ではなく、今あるスキルを活かした新しい仕事や働き方ができる仕事への転職は十分キャリアアップできる可能性があります。
最初は収入が減ることがあっても、これからの時代に求められる新しいスキルを磨くことで、収入を上げられるでしょう。
副業・独立が可能
リスキリングをして身につけた新しいスキルを活かして副業を始めることも可能です。
副業をはじめると、本業とは別の収入を得ることで年収が上げられます。とくにITの分野ではインターネットを使った副業ができるため、独立を視野に入れたキャリアプランを考えてみるのもいいでしょう。
IT分野での新しいスキルを身につけることで、在宅ワークや自分のライフスタイルに合った働き方ができる仕事が見つかるかもしれません。
フリーランスの働き方について詳しく知りたい人はこちらの記事が参考になります
在宅ワークがしやすい
ITスキルを活かした仕事では在宅ワークがしやすくなります。40代になると育児だけではなく、親の介護によって働く時間が限られてしまうケースも多くなり、柔軟な働きかたが求められるライフステージがあります。
とくに、45歳以降は突然親の介護が必要になるケースもでてきたり、自分自身の体調の変化も起きやすかったりで、生活スタイルが変化する人も多いようです。
在宅ワークでは時間の融通が利く仕事も選択しやすく、仕事と家庭のバランスをとりながら働くことも可能でしょう。

45〜55歳の女性は、介護によって離職をせざるを得ない人が多い傾向です。
40代女性の転職事情と在宅ワークについてはこちらの記事も参考にどうぞ


転職しやすい市場価値の高いITスキル


企業のDXが進む中、市場価値の高いスキルは主にIT分野でのスキルとなっています。その中でも転職につながりやすいと言われるスキルは次の通りです。
プログラミング
プログラミングはリスキリングで人気のあるスキルです。ITエンジニアの人材不足もあって、最近では年齢や性別問わず需要が高くなっています。
プログラミングは向き不向きのあるスキルですが、向いている人にとっては、キャリアアップ転職が目指せる、おすすめのスキルです。まずは、Progateなどの無料教材でプログラミングの基礎を始めてみるのもいいでしょう。
40代女性が未経験からのエンジニアについて詳しく知りたい人はこちらもどうぞ


マーケティング
マーケティングは、商品やサービスをより多くの顧客に届けるための調査や分析、企画をする仕事です。
一方、Webマーケティングは、Webサイト内のマーケティングに限定したマーケティング手法です。たとえば、自社サイトに訪れた顧客が購買にたどりつきやすい動線を考えたり、SEOによる検索上位表示、インターネット広告による認知度アップを図るといった仕事です。
マーケティングは企業の売上拡大につながるポジションであるため、Webマーケティングのスキルがある人材は、今後さらに需要があると言われています。
AI・機械学習
急速なAIの進歩によって、企業ではAIによる業務の自動化が進んでいます。
さまざまな業務でAIを使用できる人材が求められており、今後AIを使うスキルはさらに需要が高くなるでしょう。
機械学習とは、AIを使った業務の効率化やプログラミング、データ分析、セキュリティなどの分野で活躍できるスキルです。
AIスキルについてはこちらの記事が参考になります


副業にも活かせるIT基礎スキル
インターネットを使った副業をする場合に、基礎的なITスキルや文章でわかりやすく伝えるスキルが必要となります。ここでは、基礎スキルとして学んでおきたいスキルを紹介します。
Webライティング
Webライティングのスキルは、在宅ワークなどのWebでの仕事を始めるときに、まず学んでおきたいスキルです。
Webを使った仕事では、やりとりがチャットになることも多く、業務をスムーズに進めるためには文章で伝えるスキルが欠かせません。
それだけではなく、実際にWebライターとして仕事をしたり、SNS運用、ビジネスメール・文書作成などのさまざまな仕事において活かせるスキルです。
最近ではAIによる文章作成も可能ですが、AIが作成した文章は人間によるチェックが必要なこともあります。チェックをするためにも、基礎的なライティングスキルを身につけておくことをおすすめします。
未経験からのWebライターに関する記事はこちらです


PCスキル
Microsoftのワードやエクセル、パワーポイント、Googleのドキュメントやスプレッドシートなどが使える基礎的なPCスキルを習得するのもおすすめです。
これらのツールに合わせて、AIが使用できると業務効率も上がり仕事でも役立ちます。基礎的なITスキルは、リスキリングの講座やYoutube、本などで独学で学んでおくといいでしょう。
リスキリングする3つのステップ
リスキリングは、新しいスキルを身につけて、習得したスキルを新しい仕事に活かして働くことまでを意味します。ただ学ぶだけではなく、新しい仕事に活かすということがポイントです。
リスキリングをすると言っても、何を学べばいいのか?「自分は何を学びたいのかわからない」という人も多いのではないでしょうか。ここでは、リスキリングを進めていく方法についてお伝えします。
目標を決める
まずは、自分自身のこれまでの経験からどんな仕事が好き・得意か、自分の強みについて振り返ってみましょう。強みの見つけかたは、無意識的に継続して行ってきたことにヒントがあることが多いようです。
その反対に、「絶対にしたくはない仕事は何か」といった視点から考えてみるのもおすすめです。
自分の強みを見つけると同時に、どのような職種がこれから需要があるのか情報収集をします。自分の強みが今後成長していくと予想される分野で、どのように活かせるかを考えて、キャリアについて大まかな方向性を決めていきましょう。
学びかたを考える:独学、オンラインスクール、通学
個人でリスキリングをする方法は、
- Udemy(有料)、マナビDX(無料と有料あり)、Youtubeなどの動画を視聴して独学で学ぶ
- 企業が運営するオンラインスクールの講座を受講する
- 大学や専門学校に入学し通学しながら学ぶ
といった方法があります。
独学でリスキリングをするメリットは、費用をほとんどかけずにスキルが学べることです。
最近ではYoutubeなどの無料コンテンツが充実しているので基礎を学ぶには困りません。
ただ、未経験からのキャリアアップ転職を目的としたリスキリングには、より実践的な内容が学べるオンラインスクールの受講を検討してもいいでしょう。
オンラインスクールのメリットは、
- 仕事をしながらであってもカリキュラムに沿って、空いた時間に学ぶことができる
- わからないことがあれば質問ができて挫折しにくい
- 転職までサポートしてくれることがある
といった点があります。
スキルを活かして働く
リスキリングでは、ただスキルを習得するだけではなく、そのスキルを仕事に活かして働くことを目的としています。
職場でのリスキリングではなく、個人でリスキリングをした場合は、転職や副業でスキルを活かせる場所を探す必要があります。
40代以降の転職では、即戦力が求められることも多く、スキルを活かせる仕事への転職には時間がかかることもあるでしょう。
転職活動をしながら、習得したスキルを実践するためにブログを始める、SNSで発信する、副業を始めるといった、自分ではじめられるステップを進めてみるのもおすすめです。
クラウドソーシングサイトを利用して業務委託の仕事を受注するのもいいでしょう。
クラウドソーシングサイトについてはこちらの記事が参考になります。


リスキリングに活用したい政府の補助金・給付金


リスキリングによる講座の受講には、政府の補助金や給付金が活用できます。主な補助金は次の2つです。
経済産業省|リスキリングを通じたキャリアアップ支援事業
リスキリングを通じたキャリアアップ支援事業とは、キャリア相談からリスキリング、転職までを一体的に支援している事業です。
スキル習得のための講座を提供する事業者に補助金を助成し、指定の講座を受講してリスキリングに取り組み、キャリアアップしたい人の受講費の負担を軽減します。
対象者は、
- サービス登録時またキャリア相談での初回面談の時点で在職者
- 雇用主の変更をともなう転職を希望している人
支援内容は次の通りです。
- ①リスキリング講座の受講を修了したとき
-
講座受講費用(税別)の1/2相当額(上限40万円)が負担軽減
- ②リスキリングの講座受講後、実際に転職しそのあと1年間継続して転職先に就業したとき
-
①に追加して受講費用(税別)の1/5相当額(上限16万円)が負担軽減
厚生労働省|教育訓練給付制度
教育訓練給付制度とは、働く人の主体的な学びやキャリアプランを支援して、安定した雇用と就職の促進を目的とした制度です。
支援内容は、
厚生労働大臣の指定を受けた講座の受講を修了した際、受講料の一部を支給
対象の講座によって給付率が変わります。講座のレベルに応じ、次の3種類に分けられています。
- 専門実践教育訓練給付金
- 特定一般教育訓練給付金
- 一般教育訓練給付金
給付金の種類 | 給付率 | 講座の特徴 |
専門実践教育訓練給付金 | 受講費用の最大70%を受講者に支給 (年間上限56万円) | 中長期的なキャリア形成を目的 とした教育訓練が対象 |
特定一般教育訓練給付金 | 受講費用の40%を受講者に支給 (上限20万円) | 速やかな再就職または早期の キャリア形成が目的の教育訓練 |
一般教育訓練給付金 | 受講費用の20%を受講者に支給 (上限10万円) | 一般的な資格試験や学位の取得 を目的とした教育訓練 |
政府の補助金が受けられるおすすめの講座はこちらの記事でご覧になれます


リスキリングをしてスキルをアップデートしよう
企業ではビジネスのプロセスそのものが変化しているために、必要とされるスキルも変わってきており、しかも進歩が早くスキルのアップデートは必須となっています。
日本では、少子高齢化によるIT人材の不足から、国策としてITスキルのある人材育成が急務とされています。
そのため、企業内でのリスキリングや個人でのリスキリングに対して補助金が受けられる講座も増えており、金銭的な負担を軽減してスキルを身につける機会が提供されています。
デジタルの急速な進歩に合わせてスキルをアップデートし、40代からのキャリアについて考え直すタイミングがきていると言えるでしょう。
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