初心者からエンジニアへの転職を目指し、プログラミング学習を始めようとする皆さんにとって、「言語選び」は最初の難関です。
プログラミング言語の種類の多さに「Python?Java?JavaScript?どれを選べばいいの?」と迷う方も多いのではないでしょうか?
プログラミング言語はそれぞれに特徴があるため、これからプログラミングを始めたい人が、最適なプログラミング言語を選ぶことは簡単ではありません。
この記事では、エンジニアへの転職を目指すプログラミング初心者の方に向けて、おすすめのプログラミング言語と、それぞれの特徴、目的に合ったプログラミング言語の選び方、学習を始めるためのステップについて解説します。
目的に合ったプログラミング言語を見つけ、エンジニアへの転職に向けた学習をスタートさせましょう!
初心者からのプログラミング学習におすすめの言語
プログラミング言語は、よく使われているものだけでも200以上、派生する言語も含めると1,000以上あると言われています。その中でも初心者におすすめの言語は、比較的学びやすく需要も高い次の5つです。
- Python
- HTML/CSS
- JavaScript
- Java
- C言語
それぞれの特徴について解説します。
Python
Python(パイソン)は、シンプルで読みやすい構文が特徴の言語です。
英語に似た記述方法で直感的にコードが書けるため、初心者でも比較的かんたんに学習を始められ、「プログラミング入門言語」として人気があります。
Pythonは汎用性が高く、
- Webアプリケーション開発
- データ分析
- 人工知能(AI)
- Excelなどのファイル操作の自動化
など幅広い分野で活用されています。
私たちが普段利用しているInstagramやYouTube、Dropboxといったサービスの一部にもPythonが使われていることもあり、実績も豊富です。 そのため、習得すれば多くの仕事に繋がる可能性があり、将来性も高いと言えます。
HTML/CSS
HTML(HyperText Markup Language)とCSS(Cascading Style Sheets)は、Webサイトの見た目や構造を作るための言語です。
HTMLは、Webページの骨組みを作る言語です。 見出し、段落、画像、リンクといった要素を記述することで、Webページの構造を組み立てます。
CSSは、HTMLで作成したWebページのデザインを装飾する言語です。 文字の色やサイズ、背景色、レイアウトなどを指定することで、Webページの見栄えを良くします。
HTMLが家の骨組みだとしたら、CSSは家の内装や外装をデザインする役割です。
HTMLとCSSはそれぞれ異なる役割を持ちますが、Webページを作成する際には必ずセットで利用されます。
学習難易度は比較的低く、初心者でも比較的かんたんに習得できますが、常に新しいデザイントレンドが出てくるため継続的な学習が求められます。
JavaScript
JavaScript(ジャバスクリプト)は、Webブラウザ上で動作する言語です。
Webサイトの「次へ」ボタンを押すと画面が次のページに切り替わったり、「カートに入れる」ボタンを押すと商品がカートに追加されるなど、Webサイトに動きを付け、Webサイトの操作性を向上させるために欠かせない言語です。
- オンラインゲーム
- 動画サイト
- SNS
など、普段使っているサイトの多くがJavaScriptで動いています。
JavaScriptは、文法が比較的シンプルで、オンラインで多くの学習方法が公開されているため、初心者でも比較的かんたんに始められます。
ただし、複雑なWebアプリケーション開発を行う際には、高度な知識と技術が必要になります。
Java
Java(ジャバ)は、Androidアプリ開発や大規模なシステム開発によく使われる言語です。
特に様々なプラットフォームで実行できるため大規模なシステム開発に適していて、
- 銀行システム
- 企業向けシステム
など、安定性とセキュリティが求められる場面で多く利用されています。
Javaは比較的複雑な文法を持つためPythonなどに比べると学習難易度は高めですが、一度マスターすれば多くの分野で活躍できる汎用性の高さが魅力です。
そのため、Javaを習得すれば、高いスキルと将来性が得られ、エンジニアとして幅広いキャリアパスを描くことができるでしょう。
エンジニアとして安定したキャリアを目指す人に適した選択肢となります。
C言語
C言語は古くから使われている言語です。
コンピュータの動作を直接制御できるため、効率的なプログラムを作成できます。
- ゲームエンジン:ゲーム開発に必要な画像や音、キャラクターを動かす機能
- 組み込みシステム:家電製品や自動車の制御システム
など、処理速度が重要なシステム開発に適しています。
C言語は、他の言語と比較して文法が複雑なので初心者にとっては学習難易度が高くなります。ですが、多くのプログラミング言語の基礎となっているため、C言語を学ぶと他の言語への理解を深めることができます。
最近では多くの新しいプログラミング言語が登場しており、新規開発でC言語が選ばれるケースは減りつつあります。
しかし、既存のC言語で構築された大規模システムの保守・運用は今後も必要となるため、C言語のスキルを持ったエンジニアは今後も安定した需要が見込まれます。
プログラミング言語の選び方

最適なプログラミング言語選びは、効率的な学習とあなたのキャリア形成に繋がるでしょう。
このパートでは、
- 目的にあった言語
- 将来性のある言語
- 汎用性のある言語
- 学習のしやすい言語
4つの観点からプログラミング言語の選び方について解説します。
目的にあった言語を選ぶ
プログラミング言語を学習するにあたり、まず、何を作りたいか明確にしましょう。
たとえば、
「Webサイトを作りたい」ならHTML/CSSとJavaScriptが必須です。
「 Androidアプリを作りたい」場合は、Javaが一般的です。さらに、「データ分析に興味がある」ならPythonは強力なツールとなります。
「複雑なゲーム開発がしたい」のであれば、C言語の高速処理がおすすめです。
Webサイトの見た目を作るのか、アプリの機能を作るのか、データの分析をするのか、によって適切な言語は変わります。
自分が興味のあるもの、作りたいものをイメージし、それに合った言語を選ぶことで、学習のモチベーションもより高くなるでしょう。
将来性のある言語を選ぶ
IT業界は常に進化しており、言語のトレンドも変化します。 将来性のある言語を選ぶことは、エンジニアとしてのキャリアを長く続ける上で非常に重要です。
常に最新の技術動向をチェックし需要の高い言語を学ぶことで、将来のキャリアパスを広げることができます。
現在、需要が高い言語は、
- AI開発に用いられるPython
- Androidアプリ開発のKotlin
- iOSアプリはSwift
- Web開発のJavaScript
などが挙げられます。
これらの言語は、今後も需要が長く続くと見込まれています。 ただし、言語のトレンドは移り変わりやすいので、常に学習を続け、新しい技術にも挑戦する姿勢が重要です。
汎用性のある言語を選ぶ
汎用性が高い言語は、様々なシステムやアプリ開発に活用できます。 一度習得すれば幅広い分野で活躍できるため、キャリアの選択肢が広がり、将来の転職にも有利になります。
・Python
Web開発、データ分析、AI開発など、幅広い分野で使用されており、高い汎用性を誇ります。
・Java
同様に大規模システム開発からAndroidアプリ開発まで、様々な用途で使用されています。
特定の分野に特化した言語よりも、汎用性の高い言語を優先的に学習するのも、言語を選ぶときの基準の一つです。
汎用性の高い言語を習得することで将来異なる分野への転職や、複数のプロジェクトへの参加も可能になります。
学習のしやすさで選ぶ
初心者にとってプログラミング学習は挫折しやすいものです。 そのため、学習のしやすさは非常に重要です。
最初は文法がシンプルで学習コンテンツが豊富にある言語を選ぶことで、モチベーションを維持し、継続的に学習を進められます。
・Python
文法が比較的シンプルで、初心者にとって学びやすい言語として知られています。 また、Pythonに関する学習教材やコミュニティも豊富にあるため、困った時にすぐに解決策を見つけられます。
・ JavaScript
比較的学習しやすい言語の一つで、多くのオンライン学習コンテンツが提供されています。
最初は学習のしやすさを重視し、基礎をしっかり固めることが重要です。 基礎が固まればより高度な言語にも挑戦しやすくなります。
プログラミング学習を始めるまでのステップ

プログラミング学習を始める前に、
- プログラミング学習の目的を決める
- プログラミング言語を選ぶ
- 学習する教材を選ぶ
これらの3つのステップを踏むことで、効率よくプログラミング学習を始められます。
それぞれのステップを詳しく解説します。
プログラミング学習の目的を決める
プログラミング学習を始める前に最も重要なステップは、「なぜプログラミングを学びたいのか」を明確にすることです。漠然と「プログラミングを勉強しよう」と思うのではなく具体的な目標を設定することで、学習のモチベーションにも繋がります。
たとえば、
「エンジニアとして転職したい」
という目的であれば、どの分野のエンジニアを目指したいのか、どの程度のスキルレベルを目指したいのか、を具体的に考えましょう。
また、実際に目指す企業の求めるスキルや、使用している技術をリサーチしておくことも重要です。
「アプリを作りたい」
という目的であれば、どのようなアプリを作りたいのか、どのような機能が必要なのか、アプリ開発に必要な技術について詳しく調べましょう。
簡単なToDoアプリを作ることから始めるのか、複雑なゲーム開発アプリを作ることを目指すのかによっても、学習内容、必要なスキルは大きく異なります。
「Webサイトを作りたい」
という目的であれば、どのようなデザインのWebサイトを作りたいのか、どのような機能を備えさせたいのかを明確にしましょう。
簡単なWebサイトを作るのか、いろいろな機能が備わった複雑なWebサイトを作るのか、ECサイトを作りたいのかなど、目的によって必要な技術も変わってきます。
まずは、 目的を明確にすることで、学習する言語を絞り込むことができます。
プログラミング言語を選ぶ
STEP1で設定した目的に基づいて、次のステップでは最適なプログラミング言語を選びましょう。
言語を選ぶ際には、「将来性」「汎用性」「学習のしやすさ」を考慮することが重要です。
「将来性」のある言語を選ぶことで、長くエンジニアとして活躍でき、転職も有利になります。
「汎用性」が高い言語は、様々なプロジェクトに携わることができるため、キャリアの選択肢を広げることができます。
「学習のしやすさ」は、初心者にとって学習を継続するのに大きく影響します。
目的によっては、複数の言語を学ぶ必要が出てくる場合もあります。 しかし、最初は一つに絞って基礎をしっかり固めることが重要です。
基礎がしっかりしていれば、他の言語を学ぶ際にもスムーズに進めることができます。 自分の目的に合った言語はどれなのか、を考えて選びましょう。
学習する教材を選ぶ
プログラミング言語を選んだあとは、学習教材を選びましょう。 自分に合った学習方法と教材を選ぶことで、効率的に学習を進めることができます。 学習方法は大きく分けて「独学」と「スクール受講」の2種類があります。
独学
- Progate
- ドットインストール
- Udemy
- YouTube
などのオンライン学習がおすすめです。
ゲーム感覚で学習できるため、初心者でも楽しく自分のペースで学習を進められます。 初歩的なレッスンは無料、入門から基本までのプラスプランは月額990円(税込)〜と、費用を抑えて基礎が学べる点においてもおすすめのサービスです。
短い動画で分かりやすく解説しているため、忙しい方でも学習しやすいです。無料プランとプレミアムプラン、法人向けプランがあり、プレミアムプランは月額1,280円(税込)で「現役エンジニアへの質問」「オンラインプログラミング勉強会への参加」といったサービスも利用できます。
様々なコースがあり、自分のペースで学習を進めることができます。無料の講座から有料講座(金額の目安10,000〜30,000円)があります。
多くのプログラミング動画が無料で公開されているため、お金をかけずに手軽に学習したい方におすすめです。
オンラインスクール
「体系的に学びたい」
「質問がすぐにできる環境が欲しい」
「モチベーション維持のサポートを受けたい」
という方は、デイトラなどのオンラインスクールの利用も検討しましょう。
オンラインスクールでは、プロの講師による指導を受けることができ、プログラミングのスキルが体系的に学習できます。学習計画の作成からサポートまで、充実した環境で進められます。
自分の学習スタイルや予算、目標に合わせて最適な教材を選びましょう。
デイトラについてはこちらの記事が参考になります

まとめ
初心者からプログラミング学習を始めるには、まずは言語を選ばなければなりません。
初心者の人におすすめの言語は、
- Python
- HTML/CSS
- JavaScript
- Java
- C言語
の5つです。
これらの言語にはそれぞれ特徴があり、学習する目的、将来性、汎用性があるかどうかや学習のしやすさといった、4つの観点から、自分に合った言語を選ぶ必要があります。
どの言語を学習するか決まったら、独学で学ぶのか、オンラインスクールで学ぶのかを考え、プログラミング学習を始めてみましょう!
最初は難しく感じるかもしれませんが、学んでいくと着実にスキルが身につけられます。これからプログラミングをはじめる方の言語選びの参考になれば幸いです!
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