「教育訓練給付金」は、雇用の安定や主体的なキャリア形成を目的とした給付金で、45歳以上や50代の方も活用できます。
この記事では、45歳以上・50代の方が「教育訓練給付金」を正しく理解し、自分が使えるか判断ができるように整理した解説記事です。
- 教育訓練給付金とは
- 教育訓練給付金を申請する方法
- 教育訓練給付金に関するよくある質問Q&A
教育訓練給付金とは
「教育訓練給付金」とは、厚生労働大臣の指定を受けたスキルアップ・キャリアアップの講座受講で、本人が支払った費用が最大で80%支給される制度です。
教育訓練給付には、雇用の安定を目的とした教育訓練給付金と、失業者支援を目的とした教育訓練支援給付金の2種類があります。
まず、教育訓練給付金の支給対象になる教育訓練は、
- 専門実践教育訓練
- 特定一般教育訓練
- 一般教育訓練
の三種類があります。

それぞれ対象となる講座や給付割合、条件は異なりますが、年齢制限がなく45歳以上の方も対象です。
次に、「教育訓練支援給付金」ですが、こちらの給付金は失業者が「専門実践教育訓練」を受講するときに受けられる給付です。



対象者が失業中の45歳未満の方に限られています。
専門実践教育訓練
専門実践教育訓練給付金は、社会人のリスキリングやキャリアアップを促進するための支援制度です。最大、教育訓練経費の80%が支給される制度。
| 講座の種類 | 講座内容・取得できる資格 |
| 業務独占資格などの取得を目指す講座 | 介護福祉士、看護師、保育士、調理師など |
| デジタル関係の講座 | ・第四次産業革命スキル習得講座 ・ITTSレベル3以上のIT関係資格取得講座 |
| 大学院・大学・短期大学・高等専門学校の課程 | ・専門職大学院の課程(MBA、教職大学院など) ・職業実践力育成プログラム |
| 専門学校の課程 | ・職業実践専門課程 ・キャリア形成促進プログラム |
- 中長期的なキャリア形成を目的とした教育訓練が対象
- 教育訓練経費の50%(年間上限40万円)が6ヶ月ごとに支給される
- 資格等を取得、一定の条件を満たすと教育訓練経費の20%(年間上限16万円)が追加支給
- 訓練の前後で賃金が5%以上上昇した場合、教育訓練経費の10%(年間上限8万円)が追加支給 ※2024年10月〜



45歳未満の方で一定の要件を満たすと、教育訓練支援給付金も別途支給。
特定一般教育訓練
教育訓練経費の40%が訓練修了後に支給されます。(上限20万円)短い期間での再就職、早期のキャリア形成を目的とした教育訓練が対象の制度。
| 講座の種類 | 講座内容・取得できる資格 |
| 業務独占資格などの取得を目指す講座 | 介護支援専門員実務研修、大型自動車第一種免許など |
| デジタル関係の講座 | ITTSレベル2の情報通信資格の取得を目指す講座 |
| 専門サービス | キャリアコンサルタント、税理士、司法書士、産業カウンセラーなどの資格関連 |
- 資格等を取得、一定の条件を満たすと、すでに受給した給付額と、教育訓練経費の50%(年間上限25万円)の差額が支給される ※令和6年10月〜
一般教育訓練
教育訓練経費の20%(上限10万円)が支給されます。
| 講座の種類 | 講座内容・取得できる資格 |
| 資格の取得を目指す講座 | 輸送・機械運転関係、社会保険労務士、税理士、CAD利用技術者試験など |
| 大学院などの課程 | 修士、博士学位などの取得を目指す課程 |
教育訓練給付金を申請するには?
教育訓練給付金の手続きは、ハローワークに書類を提出して行います。「専門実践教育訓練」「特定一般教育訓練」は、キャリアコンサルタントが行う「訓練前キャリアコンサルティング」を受けたあと手続きが可能です。
訓練前キャリアコンサルティングを受ける(専門実践教育訓練/特定一般教育訓練)
・「ジョブカード」の交付を受ける
・ハローワークで受給資格確認の手続き、書類提出をする(受講開始2週間前まで)
「一般教育訓練」はキャリアコンサルティングを受ける必要はありません(書類の提出のみ)ただし、キャリアコンサルティングを受けた場合は、その費用を教育訓練費に含めて申請できます(上限2万円)
講座の受講申し込み
厚生労働大臣指定の教育訓練講座に申し込み、受講費用を支払う
受講開始 / 支給申請(受講開始から6ヶ月ごと) ①
・受講開始日から6ヶ月後の末日の翌日から1ヶ月以内に申請
・専門教育実践訓練のみ
訓練修了 / 支給申請 ②
・訓練修了日の翌日から1ヶ月以内に申請
・すべての教育訓練で申請可能
資格取得または就職 / 支給申請 ③
・資格取得または就職した翌日から1ヶ月以内に申請
・専門教育実践訓練、特定一般教育訓練
訓練修了前後で賃金が5%以上上昇した場合、支給申請 ④
・資格取得または就職した日の翌日から6ヶ月後から6ヶ月以内に申請
・専門教育実践訓練のみ
教育訓練給付金に関するよくある質問Q&A(FAQ)
実際に教育訓練給付金を申請する際に気になる、よくある質問をまとめました。各質問の内容を参考にして申請の手続きを進めましょう。
教育訓練給付金を受給するためには、どのような条件がありますか?
教育訓練給付金を受給するためには、主に「雇用保険の加入期間」に関する条件を満たさなければなりません。雇用保険の被保険者期間が原則として3年以上(初めて一般教育訓練給付金を受ける方は加入期間が1年以上でも可能)あることや、前回の受講開始日から3年以上経過していること、前回支給をうけてから3年以上経過していることなどがあります。そのほかにも、厚生労働大臣が指定した教育訓練講座を受講することがあります。
教育訓練給付金は何歳までもらえる?
教育訓練給付金には年齢制限がなく、45歳以上や50代の方も受給対象です。ただし、年齢ではなく、雇用保険の資格喪失日から受講開始日までが原則として1年以内であること、雇用保険加入期間が一定以上あることなどの条件があります。※45歳未満という制限があるのは教育訓練支援給付金であり、教育訓練給付金とは別制度です。
教育訓練給付制度に年収や所得の制限はありますか?
教育訓練給付金の受給にあたって、年収や所得に制限はありません。会社員、パート、契約社員など雇用形態や年収に関わらず雇用保険の加入期間などの条件を満たしていれば対象になります。
教育訓練給付制度のデメリットや注意点はありますか?
教育訓練給付金にはメリットが多い一方で、次のような注意点があります。教育訓練給付制度のデメリットは、教育訓練を開始する前にキャリアコンサルティングが必要な場合ある、受講途中で中断した場合は給付金が支給されない、はじめに受講費用を一旦全額自己負担し後から支給される仕組み、書類提出や申請期限の管理など手続きに負担がかかるといった点です。
教育訓練給付制度の給付金まとめ
教育訓練給付制度には、「教育訓練給付金」と「教育訓練支援給付金」があり、それぞれ給付の目的が異なります。
教育訓練給付金には3種類あります。
- 専門実践教育訓練
- 特定一般教育訓練
- 一般教育訓練
教育訓練給付金は年齢制限がなく45歳以上の方も支給対象です。
一方、教育訓練支援給付金は、失業者の生活支援を対象としており、45歳未満の方が対象となっています。
教育訓練給付金は、雇用保険期間などの要件を満たすと誰でも活用できる制度です。
金銭的な負担を減らしてリスキリングやキャリアアップに取り組み、年収アップを目指しましょう。









