50代になると子育てがひと段落し時間に余裕ができる人も多く、働き方を考える時期です。
「50代以降も長く働きたい」
「より自分らしく仕事がしたい」
「社会に貢献したい」
と感じる人も多いのではないでしょうか?
一方で、体力や健康面が気になり始める時期でもあり、女性の更年期にあたる50代前後は、7割の女性が疲労感を自覚するといわれています。
この記事では、50代から「長く続けられる仕事」を探している女性のために、さまざまな働き方の紹介とおすすめの仕事、仕事探しのコツなどを紹介します。

これから10年先を見据え、長く続けられる仕事を探しましょう
自分らしい働き方を考える、きっかけづくりにもなりますので、ぜひ最後までご覧くださいね。
- 50代女性が長く続けられる仕事選びのポイント
- 長く続けられるおすすめの仕事5つ
- 50代女性が仕事を探すコツ
50代女性が長く続けられる仕事を選ぶポイント


50代女性の仕事選びは、20代や30代とは違う視点で考える必要があります。長く働くためには、「働きやすさ」や「充実感」など、自分の価値観を大切にしたいものです。年齢を重ね、これまで培ってきた人生経験や社会人としての礼儀正しさは強みになり、仕事で活かすことができます。
ここでは、自身の価値観や働きやすさを大切にしながら、長く続けられる仕事を選ぶポイントを、順に説明していきます。
体力的に無理なく働ける
長く働くためには、体力的に無理のない仕事を選ぶことがとても重要です。自身の基礎体力を考慮し、業務内容を選びましょう。
これまで体を動かす仕事をしてきた人、スポーツが好きで日頃から体を鍛えている人などは基礎体力があり、接客業などの長時間の立ち仕事や、営業や介護職のような動き回る仕事も苦痛ではないかもしれません。
反対に体力に自信がない人は、座ってできる事務作業や、短時間のパートタイム、在宅ワークから選択する方が良いでしょう。たとえば、コールセンターのオペレーターやデータ入力、文字起こしなどは体力的に負担の少ない作業です。
データ入力やWebライターなど、パソコンを活用し在宅でできる仕事であれば、自分のペースで働くことも可能です。通勤することもないため時間を有効活用でき、スキマ時間で働きたい人にもおすすめです。
これまでの経験・スキルが活かせる
これまでの経験やスキルを活かした仕事を選ぶと、自分の能力を発揮しやすいだけではなく、仕事を覚えるまでの期間を短縮できるため、無理なく働くことができます。
「今まで専業主婦だったから、仕事経験もあまりないし…」といった諦めは必要ありません。
主婦には家庭で毎日磨かれた、家事や子育ての経験、家族の介護など、素晴らしい人生経験があるからです。毎日ごはんを作ったり、忙しい朝にお弁当を作ったり、掃除に洗濯、買い物、子供の習い事の送り迎えなど、多くのタスクを行っていく中で、「時間管理スキル」も身についています。
またコミュニケーションが好き、パソコンが得意、コツコツ作業に没頭できるなど、少しでも得意だと感じていることは、新たな仕事をするうえでの強みになります。



自分の得意なことは何か?どんな仕事だと強みが活かせるかを考えることがポイントです
柔軟な働き方ができる
柔軟な働き方ができる仕事も、長く働き続けるうえでの大切なポイントになります。
50代はライフスタイルも変化しやすい年代です。子育てがひと段落している人も多く、「自分の人生をより充実させよう」と新しいことに挑戦し始めると同時に、家族の介護など突然新たなライフイベントが加わることもあります。
長く働き続けるためには、このような急なライフスタイルの変化にも対応しやすい、労働条件の良さも重要なポイントです。シフトの融通が利くか、勤務時間は希望に合っているかなど、プライベートの時間が確保できるかどうかもチェックしておく必要があります。
家事や介護との両立を希望する人は、柔軟な働き方がしやすいパート勤務や在宅ワークがおすすめです。
2024年の総務省統計局の労働力調査(※)でも、女性の就業者はパート・アルバイトの人口が全体の41%を占めています。パートを選んだ理由は「自分の都合の良い時間に働きたいから」という回答が最も多く36.7%でした。
(※)参考:総務省 労働力調査(詳細集計)2024年(令和6年)10〜12月期平均



女性が長く働くためには、未来の自分のライフスタイルもイメージしながら、柔軟な働き方を選択していくことが大切だといえます。
やりがいがある
やりがいが感じられる仕事を選ぶと、楽しみながら長く続けられます。
何がしたいかわからない場合や、久しぶりの仕事で不安が大きい場合は、これまでの経験が活かせる仕事を選ぶと始めるハードルが低くなります。
その一方で、ずっと同じ仕事を長く続けている人は、新しいことにチャレンジしてみたいと思うかもしれません。
50代だからと諦めるのではなく、新たな世界に飛び込むことで自分の成長を感じられ、やりがいにつながることもあります。
実際に、「仕事を通して成長したい」と考えている割合が、最も高い世代は50代の女性というデータもあります。





自分と向き合って、どのような仕事に喜びとやりがいを感じられるか考えてみましょう
50代女性が長く続けられるおすすめの仕事5つ


50代女性が長く続けられる仕事は、これまでの人生経験で培ってきたコミュニケーション力や、柔軟な対応が求められる仕事が多い傾向です。とくに、人と接する仕事では即戦力として活躍することができる可能性があります。
ここでは、50代女性が長く続けられるおすすめの仕事を5つ紹介します。
- 事務職
- 介護職
- キャリアカウンセラー・コンサルタント
- 家事代行
- Webライター
事務職
事務職は基本的にデスクワークであるため、体力的な負担が少ないという特徴があります。今後も需要がなくなることはなく、快適な環境で働けることも魅力的です。
働く場所によって業務内容はさまざまですが、書類整理や電話対応などのほか、基本的なパソコンスキルは必須になります。
事務職には、一般事務や医療事務、経理事務などがあり、求人は多くあります。しかし、20代〜30代の女性にも人気の職種のため経験者が優遇されることが多いです。50代から未経験で採用されるには、パソコンのスキルに加えて関連資格を取得しておくと有利になります。
経理事務では、一般的に日商簿記検定の2級以上を取得していると、未経験からでも優遇されやすいと言われています。
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介護職
介護職は高齢化が進む日本において、需要が高まり続けている職業です。
高齢者の中には「世代の近い介護職員のほうが安心」と感じる人も多く、50代女性にとって活躍しやすい仕事といえます。未経験・資格なしでも応募できる求人があることや、正社員やパートタイムなどの希望する働き方が叶いやすい点でもおすすめです。
実務経験を積みながら、国家資格である「介護福祉士」の受験資格も得られるため、将来的に報酬が上がる可能性もあります。



仕事内容は、施設によって違いがありますが、食事・入浴・排泄のケアなど、体を使う仕事になるので、ある程度の体力が必要な仕事です。
キャリアカウンセラー
キャリアカウンセラーは、会社での悩みや転職などの、キャリアに関するさまざまな相談にのって、心理的なサポートをする仕事です。相談者の悩みを理解して適切なアドバイスをすることで、理想のキャリアが歩めるよう導きます。
最近は、キャリアチェンジを目指すシニア層からの相談ニーズも高くなっています。シニア層は、年齢が近い50代のキャリアサポートを希望する人も多く需要のある仕事です。
キャリアカウンセラーの仕事は、これまでの豊富な人生経験からのアドバイスができることや、コミュニケーション力が活かせるということから、50代女性が活躍しやすい職業といえるでしょう。
キャリアカウンセラーには民間資格がありますが、無資格でも就業可能です。一方で、より具体的なキャリアサポートを提供する「キャリアコンサルタント」と名乗るには国家資格が必要です。(無資格でも就業は可能)キャリアコンサルタントは、実務経験3年以上、または養成講習を受けることで受験資格が得られます。
ハローワーク、人材派遣会社、企業の人事部門など幅広い分野で活躍できるので、長い目で見て資格取得にチャレンジするのも良いでしょう。
家事代行
家事代行は、個人宅を訪問し家事をサポートする仕事です。女性は家事を日常的に行っていることが多いため、即戦力として活躍できます。
最近では、共働きの家庭や独居高齢者の増加もあり、家事代行サービスの需要が高くなっているといわれています。
サービス内容は食事の準備や清掃、片付け、買い物代行などで、自分のペースで勤務しやすいといった理由から人気がある仕事です。これまで行ってきた家事スキルを活かすことができ、自分の仕事に対してダイレクトに感謝される仕事のため、やりがいも感じやすくなります。
一方で、第三者の家庭に入ることになるため、それぞれの家庭のルールやニーズを把握すること、守秘義務を徹底することが重要です。依頼者としっかりコミュニケーションをとり、信頼関係を構築していくことが、長く続けるコツになります。
Webライター
Webライターは主にWebサイトやブログなど、インターネット上に掲載される文章やコンテンツを執筆する職業です。書くことやリサーチをすることが好きで、一人でもコツコツ作業ができる人は、Webライターに向いています。
企業に所属するほか、業務委託として仕事を受注したり、フリーランスとして働くことが可能です。パソコンさえあれば、自宅やカフェなど好きな場所での作業も可能で、比較的時間に拘束されない柔軟な働き方ができます。
在宅で働けること、仕事量を自分で調節しやすく体への負担が少ないことから、50歳からも長く続けやすい仕事と言えます。その一方で、Webライターは未経験からでも始めやすいことから、報酬が低く安定した収入が得にくいといった傾向があります。



それでも、空いた時間で始められるので、まずは始めてみることをおすすめします!
Webライターの始め方はこちらで詳しく解説しています!


50代女性が仕事を探すコツ


50代女性が仕事を探すには、はじめに、これまでの経験や過去に取得した資格を、一通り書き出して整理することです。
次に、これまでの経験と資格をふまえ、これからどのような職種に就きたいのか、持っているスキルをどのように発揮したいかを考え、今後のキャリアプランを決めていきましょう。
ここでは、50代女性が仕事を探すコツを具体的に紹介します。
目的に合った働き方を考える
働く目的は何でしょうか?「社会貢献をして人生を充実させるため」「年金生活に入るまでにお金を貯めたい」など長く続けられる仕事を探す理由を考え、目的に合った働き方を見つけましょう。ここでは、さまざまな働き方を紹介します。
正社員として働く
しっかり稼ぎたい人や、定年まで長く働きたいなら正社員がおすすめです。毎月安定した収入を得られるので、老後に向けて着実にお金を貯られるでしょう。
厚生年金保険や雇用保険などの社会保険に入ることができるため、将来の年金給付も高くなります。また、非正規よりも福利厚生が充実している場合も多いです。
「50代から正社員として雇ってもらえるの?」と思うかもしれません。
しかし、2020年から2023年までの、女性の就業率と就業形態の構成割合をみてみると、就業率は15〜24歳と65〜74歳では低下していますが、それ以外の幅広い年齢層で上昇が続いています。
さらに、正規雇用として働く割合についても上昇しており、45歳〜64歳も数値の上昇がみられています。
正社員でキャリアを積んでいきたい人は、チャレンジする価値があるといえるでしょう。


パートタイム
すぐに働き始めたい人や、仕事をしながら自分の時間も確保したい人はパートタイムがおすすめです。子育てや介護などで正社員として働きにくい、プライベートな時間を大切にしたい場合の選択肢となります。
ただし、非正規雇用で働く時間が短いため、条件を満たしていないと社会保険に加入できません。長く働き続けるためには、夫の扶養に入る、労働時間を調整して社会保険に加入する、などの対策が必要になります。
業務委託で仕事を受注する
自宅で好きなときに働きたい人におすすめなのが、業務委託で仕事を受注するという働き方です。クラウドソーシングサイトなどを使って、クライアントから仕事を受注し「業務委託契約」を結びます。依頼された成果物の対価として報酬を受け取るという働き方です。
インターネットを使って完結する仕事が多く、働く日数や時間、いくら稼ぐか、どのくらい仕事を受けるかは、すべて自分の裁量次第になります。安定して稼ぐにはスキルや継続力が求められますが、スキルを身につけコツコツと続けていくことで報酬を上げられる可能性があります。
また、インターネットを使って個人的に何かを販売して収入を得ることも可能です。たとえば、趣味のハンドメイド作品を楽天フリマやメルカリ、minnneなどで販売するECサイト出品や、卸業者などから仕入れた商品をAmazonやEbayなどで販売する「せどり」など。
すぐに、安定して収入が得られるといった働き方ではないですが、好きなこと得意なことを仕事にできるメリットがあります。



「好きなことや得意なことを仕事にする」というのは、50代から長く働き続ける仕事を探すうえで大切にしたい観点です。
業務委託でできる「在宅ワーク」について、詳しくはこちらの記事が参考になります!


幅広く求人情報を見る
「50代女性が長く働ける仕事」を探すには、幅広く求人情報を見る必要があります。できるだけ多く求人を見て、希望する仕事を見つけましょう。ここでは、求人を探すコツを紹介します。
転職エージェント
転職エージェントは、求職者と企業の間に入って仕事を紹介し、求職者の希望に合う転職先を探してくれるサービスです。仕事の紹介だけではなく、転職相談から面接対策、企業との年収交渉などのサポートを無料でしてくれます。転職エージェントによってサポートの違いはありますが、20代からシニアまで幅広い年齢層に対応しています。
ただ、50代からの転職活動では、20〜30代の転職と比べ、紹介される求人が限定されることがあります。転職エージェントを利用するコツとしては、一つのエージェントだけではなく、複数のエージェントやサイトを利用することです。できるだけ多くの求人から、条件を比較して希望に近い求人を探しましょう。



キャリアアドバイザーに転職相談をすることで、転職活動への不安が軽くなります!
転職エージェントについて詳しく知りたい方は、こちらの記事が参考になります


ハローワーク
50代の人材を求める地元の企業は、ハローワークに求人を出していることもあります。ハローワークでは、正社員だけではなくパートの求人も取り扱っています。
まだキャリアについて考え中の人も、ハローワーク職員に相談してサポートを受けるのもいいでしょう。直接ハローワークで相談すると、希望に近い求人が見つかったらその場で応募手続きができるのもメリットです。
オンラインでの仕事探しもできるのでチェックしてみましょう。
まとめ
50代女性が長く続けられる仕事5選と、働き続けるためのポイントについて紹介しました。
- 体力的に無理なく働ける
- これまでの経験・スキルが活かせる
- 柔軟な働き方ができる
- やりがいがある
長く続けられる仕事に何を求めるか、大事にしたいポイントの優先順位を考えて、仕事を選択しましょう。
50代女性が今後長く続けられる仕事の選択肢は増えています。10年先のキャリアプランを考え体力や経験を考慮し、自分に合った仕事を見つけることが大切です。
ぜひ仕事探しの参考に、目的に合った仕事が見つかることを願っています!
新しいスキルを身につける「50代女性の学び直し」おすすめスキルはこちらの記事で解説!

